序章─屋上の災厄─

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………カナカナカナカナ とひぐらしが鳴いている。 別に猟奇的平行世界を意識している訳ではない。 マジで鳴いている。 つまり、今はそういう季節であり、そういう時間帯なのだ。 告白には打ってつけのシチュエーション。 しかし、俺の隣で黄昏ているのは紛れもなく男だった。 まぁ、実際、俺が彼に呼び出されただけなのだが……。 隣の彼の名は工藤雪久(クドウ ユキヒサ)。 メガネのフレームまでかかるサラサラした髪を金色に染めた、インテリ系のイケメンだ。 通称、「永遠の朝帰り」こと、俺の幼馴染みだ。
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