7人が本棚に入れています
本棚に追加
………カナカナカナカナ
とひぐらしが鳴いている。
別に猟奇的平行世界を意識している訳ではない。
マジで鳴いている。
つまり、今はそういう季節であり、そういう時間帯なのだ。
告白には打ってつけのシチュエーション。
しかし、俺の隣で黄昏ているのは紛れもなく男だった。
まぁ、実際、俺が彼に呼び出されただけなのだが……。
隣の彼の名は工藤雪久(クドウ ユキヒサ)。
メガネのフレームまでかかるサラサラした髪を金色に染めた、インテリ系のイケメンだ。
通称、「永遠の朝帰り」こと、俺の幼馴染みだ。
最初のコメントを投稿しよう!