保育園

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あれは確か、 暑い夏の日だった。 僕の家族みんなで市民プールに出かけたときの話。 おっきくてでっかい輪っかの浮き輪を持ってったっけ。 プールに向かう途中の 車の中で 『島唄』を熱唱していたな。 音はハズレていたけど幼いから問題は無い。 なんやかんやして プールにつき 僕の気持ちは絶好調。 そこのプールには 浮き輪に座りながら滑るアトラクション的なもんがあったのよ。 そこから地獄は始まった。 列に並び 僕の番が来るのを待ちわびていたな。 やっとで僕の番になり またもやテンションMAX すごい勢いで滑ったんだ すると浮き輪はひっくり返り 僕はプールへ落ちた。 保育園で泳げる子は めったにいないだろう。 僕はどうしようもなく うつむきのまま浮かんでたな。 ピクリとも動かず 鼻水はたくさん出ていた。 このとき程、動かなかった事はない。 まるで熊と向き合った感覚だ。 目はパッチリ開き プールの底がボンヤリ見えていたよ。 汚かった。 息もできないまま プカプカ浮かび しばらくして気づいた家族達が大慌てで助けてくれた。 プールサイドに上がった僕は 大泣きして家に帰った。 この話はここまで。 サンキュー
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