第一章

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少しいじけた雰囲気を醸し出していると、頭をごつかれてしまった。 「馬ぁ鹿、何いじけてんだよ。これから頑張れば良いだろ?」 整った眉を少し下げ、キリリとした眼の副長は、どうして新撰組なんかに入ったのだろうか… 役者になれば良かったのに。 そうすれば、鬼だなんて呼ばれる事も無い。 「ってお前、聞いてんのかよ」 「き、聞いてました…」 自分の世界に入っていた私は、曖昧な返事を返して続けた。 「副長って、たまに優しいですよね」 「なっ!…別にッ」 あたふたする今日の副長は可愛い。 「ありがとうございます」 「何もしてねぇだろぉが」 何度もお礼を言う來夢に向かって 「早く部屋から出ていかねぇと…減給だぜ?」 先程とはうってちがった様子でニヤッと微笑む副長。 「ただでさえ、少ないお給料を更に減らすと!?」 こちらも、かなり青ざめている。 「では、副長っ!!おさらばだぜっ」 「俺には敬語使えぇぇ!!」 と叫んでみたが、來夢が座っていた所には、山崎が座っていた。
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