第一章

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「のわぁ!!」 「お早う副長」 ニコリと笑う山崎に軽く殺意が芽生えた。 「來夢の上司からして敬語じゃねぇからな…」 「來夢なら、走って行きましたけど」 軽く話を流す山崎の顔は涼しそうだ。 「んな事ァ、知ってる」 それを大した事では無いと思っている土方の顔は、何故か強張っていた。 「山崎、例の件だが…」 強張っていた原因はこれか。 「あぁ…狸みたいな主人の…」 『お前って密偵先の主は必ず動物に例えんだな』 心の中で呆れた土方だが、この男をあからさまには見くびれない。
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