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「そこのきみっ!」
サアァッと、一陣の風が吹き、桜が舞った。
声のした方を向くと、桜の木の下に、一人の女子生徒が立っていた。
整った顔立ちに大きな眼、堂々とした立ち振る舞い。長い黒髪が風に揺れて、まるで桜と踊っているようだった。女子専門家がいれば、きっと美人に分類するであろう、そんな奴だった。
「・・・?」
俺が「なんなんだこいつ」と訝しげな視線を向け固まっていると、女子生徒は屈託のない笑顔で叫んだ。
「生徒会に、入らないか!?」
サアァ―――
また風が吹き、桜とともに俺たちの間を通り抜けていった。
これが、俺とこいつのファーストコンタクトであり、これから始まる騒がしい毎日の幕開けであった・・・・・・。
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