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「白澤ぁ~!白澤はおるかぁ~!?」
「!?」
学校が終わり、この初日からすでに騒がしい教室からさっさと出ようとしていたときだった。
突然ドアが開いたかと思うと、大きな声が教室中に響いた。
全員の視線が一か所に集まる。
その視線の先にいる大声の主は・・・
「約束通り、迎えに来たよー!」
どう見ても、今朝の変な女子生徒であった。
まさか・・・本当に来るとは・・・・。
彼女は、呆気にとられている生徒たちのことなど構わず、教室内をキョロキョロ見回している。
どうやらまだ俺がここにいるとは気付いていないようだ。
今のうちに退散しよ―――
「おい、白澤。お前呼ばれてんぞ?」
「なっ・・・」
こっそり、彼女がいるドアとは反対ののドアから出ようとしていたら、一人の生徒に呼び止められた。
このやろう・・・。
「むむ? はっけーん! よし、確保ー!!」
「なっ、ちょ、ちょっと待て・・・」
「さっ! 行くよ!」
逃げようとするも、脱兎のごとく素早い動きで近づいてきた女子生徒に腕をつかまれてしまった。
抵抗するも、彼女の力が意外に強くて手を振り払えなかった。地味にショックだ。
いきなりの出来事で静まり返った教室を後に、俺は女子生徒に手を引かれ、わけもわからず走っていった。
何なんだよいったい!?
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