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私が一日の不幸はコレの埋め合わせだったのだろうか?などと考え
男の子ならばコレを見るためなら先ほどまでの苦労など当たり前とも考え始めた頃
「さて、そろそろ……」
そう言って彼女が胸甲を再び身につけ始めた
なんだ、もう終わりなのか
楽しい時間があっという間なのはどうやら事実らしい
せめてシャツのボタンも外しても良いんじゃなかろうか?
ダメかな……やっぱり
そんな不埒なことを考えていた罰が当たってしまったのか
思わずバランスを崩し
《ガサッ!》
「誰だ!」
物音を立ててしまった
不味い、これは不味い
彼女がこちらを真っ直ぐ睨みつけている
音のする方向に体を向け
サーベルに手をかけているようだ
(これは見つかると酷い目にあいそうだ)
そう思っていると
私の肩に突然リスが来た
(しめた、お前なら私の言うことを聞いてくれるはずだな)
リスと言うのは生来臆病な生き物
私の肩に乗りにくるリスと言えば、非常に利口な私の相棒のアモンしかいない
しかもアモンは私の言葉を解するだけでなく、小さいものの運搬までこなす彼にはテストとかに大変重宝している
(よーし、アモン。 草むらから飛び出して注意を引いてくれ)
なんとかアモンの頭を撫でて
ポケットのクルミを渡すと
彼は私の意を察して草むらから飛び出した
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