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私のクラスである三年四組は、学校の間ではあまり評判が良くない。
それを遡れば半年も前の事になる。だけど今では誰もがその事を忘れているのだろう。
春の陽気な風がそうさせるのか、浮ついた気持ちは移ろいやすく“対象”を変える。
初めこそ、ただ口をつぐむだけの“禁句”は虚しくも風のように跡を残さないものになった。
女子高生特有の至極、単純明快な理由に私も納得は出来る。
けれど私はただただ苦いものに翻弄されていて、どうにもみんなと同じようには出来なかった。
ーーだって、私はあの人に恋してたわ。
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