いざ、品評会!

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「…ころんさん?奥の部屋へどうぞ。シャルトを呼んでありますからね。少々狭い部屋ですが…ささ、どうぞどうぞ。」 「…あ…はい…」 神父様に案内されるがまま、懺悔室の隣の部屋へと案内された。そこには照明はなく、小さな祭壇に蝋燭の灯りだけが揺れていた。その前には椅子すらない、畳5畳程しかない、本当に狭い部屋。 その祭壇の前に、シャルトは居た。髪をやや下めに銀の髪留めで纏めて、僧侶の服を着ている。学校では調理制服でしか見た事なかったから、ちょっと新鮮かも。…まぁ、あたしも一応教会に来るからって、白いワンピース選んだし、髪も下ろしてるけど… 「あ、ころんさん。どうされましたか?父がここに人を呼ぶなんて滅多に無いですから…」 「いやぁそれが、今度の品評会の事についてお祈りしに来ただけなんだけど、何だか勘違いされちゃって…」 「…成程…すいません、父が余計な世話を焼いたみたいですね。でもころんさん、浮かない顔をしていますね。僕で良ければ相談にも乗りますし、洗礼も…未熟ですが、致しますよ。ちょっと待っていて下さい、椅子を用意します。」 うぅ、さすが王子様、優しい…そしてかっこいい。ころん惚れちゃう。嘘。
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