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シャルトが扉を開けようとすると、ゴツッという音がして、扉が止まった。
ゴツッ、ゴツッ…
「あ、開かない…?と、閉じ込められちゃった!?どうしよう、シャルト君!」
ころんが慌ててシャルトの服の裾を掴むと、シャルトは小さく溜め息を吐いた。そしてころんを安心させるように両肩に手を置き、目線を合わせて言った。
「…すいません。少々お見苦しい所をお見せします…どちらかと言うと司祭になりたい身なので、あまりこういう事はしたくないのですが…理由が解りました。」
だから近いって。
シャルトは僅かに開いている扉の隙間に、祭壇にあった蝋燭立ての取っ手を挟んだ。そして小さく息を吸い込むと、思いきり扉を蹴り飛ばした。
「どわあああああぁっ!」
大きな悲鳴と半壊した扉。その向こうには…
「し、神父様…」
「…お父様、やはりそういう訳でしたか。」
「いや…父としては…やはりその、何と言うか、ハハハ…」
大きな椅子が傍に転がっている所を見ると、どうやら盗み聞きしていた様だ。焦りを隠せない神父様に、冷ややかな視線を浴びせるシャルト。
うわぁ、こんな顔もするんだ…さっきの蹴りの威力といい、意外だなぁ。
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