刺激に満ちた、謎と恐怖と惨劇を……

発端

それから十時間、ようやく仕事が終わった。

内容など覚えていない。いや、思い出したくもない。

思い出したところで、いつもの繰り返しをしただけだ。

さっさと帰って、今日までの期限のDVDを返却に行かなければ。

家からレンタルショップは、会社とは反対方向のため、一度家に戻る。

いつまでもこの服を着ていたくないというのも理由の一つだ。

行きの十五分とは違って、帰りの十二分は何と楽なことか。

精神的にも肉体的にも。

いつもなら、会社から十四本目の電柱横にある自販機でコーヒーを買うのだが、今日は違う。

十七本目少し先のコンビニで買うつもりだ。

仕事中にイラつくことがあった日には、立ち寄ることにしている。

何があったか思い出すだけでも腹が立つ。

「自分のこと、棚に上げやがってよ……」

なんて言ってる間にもコンビニに到着した。

さて、今日も癒やしてもらおうか。