第一話 奇跡の歌姫

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エラは体質で全く酔う事はない エラと長い付き合いのマスターはそれを知っているから止めはしない しかし、未成年であるエラを気遣うのは、優しい彼だからこそである マスターはカウンター越しにエラの前に肘をついた 「船がかなり酷くやられたようだな」 「…知ってたのか」 苦虫を潰したような、何とも言えない表情のエラ 「海龍の奇襲にあったんだが……さすがは海の魔物……タダじゃすまなかった」 「エラがドラゴンにやられるなんて、珍しい事だな」 苦笑混じりに、驚いた風な声色でマスターは呟いた
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