9人が本棚に入れています
本棚に追加
私たちの通っている学校に行くためには、延々と続く坂を上り続けなくてはならない。体力のない人はここでリタイアすることが定番だ。
「おはよー」
後ろから走ってくる女子がいた。
「おはよ、ハルカもこの時間に登校?」
ハルカこと、久遠遙(くどうはるか)。
私とは違い、黒いロングストレートに黒い瞳。容姿端麗で学年を問わずに人気の高い女子生徒であり、私の友人の一人でもある。
「ええ、この時間は人が少ないから気軽に学校に行けるからね」
「人気だもんね」
私と違って毎日告白されてるらしいし。ファンクラブまであるらしい。
実際のところは、アスナにもファンクラブは存在するが、隼人や遥はそのことをアスナには言ったことがない。
アスナはそういう類はあまり好まないからだ。
「そんな人気は必要ないわ。あたしはアスナみたいな友がいればいいのよ♪」
いきなり抱きついてくる遥。
「ちょ、ハルカ。苦しいよ」
見た目からでは想像しにくいが、遥の力は成人男性なら軽く捻じ伏せれる程度である。
最初のコメントを投稿しよう!