第一章

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まあ、アスナみたいな女の子なんて、本気になれば一瞬でミンチになる。 そうならないのは、当の本人が本気で大切なものと認識しているからだ。 「もう、本当にアスナは可愛いな♪このままお持ち帰りしたいくらい」 「おーい、目の前で犯罪予告してんじゃねえよ」 隼人が遥の頭にチョップを繰り出し、アスナを救出。 ……ただし、大切な意味の方向性は間違えている気もするが。 「何よ。隼人には関係ないでしょ?」 「ああ、全く関係ない!」 胸を張って言われた。なんかそれはそれでショック。 「あ、分かった!隼人も一緒に抱きたかったのね。気づけなくてごめんね」 「違うから、あと冷たい目で俺を見ないでくれー!!」 私の朝は、いつもこんな感じで始まる。 だが、 平和でのん気なこの時間も…… あと少しで壊れるのを、まだこの時には分かってはいない。 ………… ……………………
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