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~~回想~~
その日は綺麗な満月だった。
少年は踵を返すと闇の中に消えようとしていた。
だが、少年はピタリと止まった。
そしてこちらを振り返り、
「・・・・・・巻き込んで、悪かった」
と少年は一言だけ呟く。
呟いた少年の瞳は血のように赤い光を放ち、暗闇の中でも綺麗に浮かび上がっていた。
だが、その強い意志を宿す輝きは、どこか影を落としている。
あの影の落とし方を、私は知っていた。
アスナはその眼に言い様のない孤独を感じた。
その眼差しに、幼少の頃の自分を重ねる。
孤独、向けられる白い目、石を投げられたことも・・・・・・
アスナは蘇る記憶に自然と視線が下に落ちる。
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