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だけど、私が見とれたのはそんな異常なことではなく、少年の瞳に見とれていた。
黒い髪と黒い瞳はよくあるのだが(私のようにハーフみたいな人が少ないだけだけど)
彼の場合は、黒い瞳は黒と表現するよりも、全てを飲み込んでしまう漆黒と呼んだ方がいい。
「……おい」
回りの音など全く耳に入らず、少年の眼だけじっと見ていた。
こんな綺麗な眼を見るのは、生まれて初めてかも……
だが、アスナはここであることに気が付いた。
少年の眼をよく見るために、顔がかなり接近してしまったこと。
残り3センチで唇が触れるところまで来てしまったことに。
「……?」
「……!?」
一気に恥ずかしくなり、急いで少年から離れる。
今絶対に顔赤くなってる~~///
頭から煙が出そうなくらい恥ずかしいことを、私は大胆にも見知らぬ少年に見られてしまった。
「大丈夫か?」
見知らぬ少年に心配すらさせてしまった。
「大丈夫、大丈夫だから」
落ち着け、落ち着け私。
ドキドキする心を落ち着かせ、なんとか平静を保とうとする。
…………
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