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そのとき魔王はゆっくりと立ち上がり、口を開けた。
『お前たち……なかなか見込みがある。俺の魔力を与えてやってもいいぞ』
少年は驚きを隠せず、魔王に向かって叫んだ。
『魔力だと!?……それは勇者の道を捨てろというのか!!』
『ふっ……拒否権はない!!』
突然魔王が少年に近づき、横腹を殴った。
『うっ!!』
ドサッ
『ルリア!!』
魔術師はそう叫び、少年のもとへと駆けた。少女はただ、それを見つめているだけだった。
『―我が魔力、受けとるがいい!!―』
そう言った魔王の手に、闇の魔力が集まりはじめる。魔術師は術にかけられたようで、その場から動けなくなった。
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