ザクとは違うのだよ、ザクとは!

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「なぁ拓也?俺の顔ってどう思う?」  拓也と呼ばれた俺の幼なじみは、一瞬怪訝な顔を浮かべた。 「普通だろ普通。中の上でも下でもねー、中の中だよお前の顔は」  確かに、と俺は深々とうなずいた。自分で見ても、鏡に映る俺の顔はちょっとマヌケ面な平均顔。可もなく不可もなく、この先に待つ未来が簡単に予想できてしまいそうな、ありふれた普通顔。まさに平凡と言うに相応しい容姿だった。  しかし、それでも気を抜いてはいけない。 「じゃあ、俺って可愛い?」 「はぁ?お前の顔のどこに可愛さがあるっつーんだよ。気持ちわりー」  そう言ってオエッと吐くような素振りを付け加える。なんだかちょっぴり悲しかったが、拓也の反応は当然だった。男が男に可愛いとか、普通は言うわけないのだから。  あー良かった。念には念をいれて無自覚美人の線を疑ってみたけど、やっぱり大丈夫だ。 .
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