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椿は何もなくなった元研究所でうろうろしていた僕を見つけてくれた。
初めて会った僕に椿は何故か涙を流して抱きしめてくれた。
そしてずっと「ごめんね」と…
その時椿は全て自分の事を話してくれた。
自分が昔あの場所で働いていたやつらと同じ研究員だという事。
そして人間を化け物に変えてしまう薬を発明した張本人という事。
だけど僕は椿のことを憎めなかった。
だって僕のことを見てずっと謝ってくれたから。
それから椿は色々なことを教えてくれた。
椿の作った薬は完璧に化け物になる確率が低いもので、あそこはその化け物を作るための研究所だったらしい。
そしてその化け物…いや…ヴァンパイアの成功体が僕…
成功体とそうでないヴァンパイアの違いは簡単。
自我を保っていられるか、いられないか
たいていは血をもとめて自我を失い暴走する、だけど僕は違った。
血を飲みたくても我慢できる、
そして力のコントロールも出来る。
だからあの時、父さんは僕は特別だといった。
そして成功体のもう一つの特徴。
目と髪
成功体は完璧なヴァンパイア。
目は黄色と変る、髪は銀色に変る。
だから椿は僕がすぐに研究所にいたと気付いたらしい。
『椿、僕のかつらとカラーコンタクトは?』
「隣の部屋だよ、行こう」
僕は椿に手を引かれて部屋を出る。
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