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隣の部屋はダイニングになっていて、かつらとカラーコンタクトはそこにある机に置いてあった。 『椿…ここは?』 「この学校での私の部屋ですよ…」 『保健室の先生としての?』 「そうですよ」 椿は優しく微笑んで、僕にかつらを渡す。 それを受け取って僕はもう一回椿を見る。 『僕は?』 「莉音は別の部屋ですよ。」 『一人?』 「いや、寮は全員2人部屋です」 『…ここじゃ駄目?』 すると椿は大きくため息をついた。 「私もそうしたいですけど、ただの保健室の先生と生徒が同じ部屋はおかしいでしょ?」 『親戚なんでしょ?』 そう…僕の素性は研究所のやつらに知られているから本命では名乗れない。 それは椿も一緒で研究所から逃げ出すようにやめた椿は研究所のやつらに追われていて、今は偽名を使っている。 僕と一緒の『藤堂』を… そして僕は椿の親戚という形でここに入学した。 「親戚だからって一緒の部屋じゃ贔屓でしょ?」 『うーん…僕隠せる自身がないよ…』 僕は部屋にかる鏡をみながら黒髪のかつらを被る。 「そのときは今日みたいにどうにかしますよ」 『あれはあれで…』 僕は苦笑しながら椿から黒のカラーコンタクトを貰い、目に入れる。 僕は変ってしまった姿が大嫌い だ、まるで自分から化け物ですって言っているようだから。 それにここには研究所のやつらもいるかもしれない、だから僕は変装をした。 最後に黒ブチの眼鏡をかけて完成。 大きい目はカラーコンタクトを入れても少しわかってしまうからその補強としてビンゾコ眼鏡をつけている。 「本当別人ですね…」 『成らなかったら困るよね…』 「そうですね…」 椿と二人で苦笑しながら、僕は時間をみる。 もう夕方で良い時間だった。 「これは莉音の部屋の鍵です。 部屋の番号はそこに書いてありますから」 椿は旅館で貰うような鍵を僕に渡す。 僕は部屋の番号を確認して、椿を見る。 『ありがと、じゃ僕いくね』 「はい、気をつけてください」 『うん』 僕は椿に挨拶をして部屋を出た。 その瞬間僕から笑みが消える。 ・
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