《 1 》

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『ふーっ…』 僕は用意されたベットに腰を下ろし肩の力を抜く。 翔には部屋を一通り案内してもらった後、荷物を片付けるといって別れた。 今は多分またリビングにいるだろう… 僕はゆっくり眼鏡を取り、片目だけカラコンを取る。 クリアになる視界に僕は立ち上がり荷物の中から手鏡をだして自分の目を見る。 『…やっぱり…』 そこには黄色いはずの目が赤く染まっていた。 『たまたまだよね…』 リビングに入ったときわずかに血の匂いがして、体が勝手に反応してしまった。 血に反応するとこの黄色い目は赤く色づく。 まるで獲物を狙っているかのように鋭く光りを放つ。 忌々しい赤い目を呆然と見ていると扉がノックされた。 コンコン 『!?』 僕はそれに急いでカラコンを入れて眼鏡をかける。 「莉音、入っていい?」 『うん、いいよ』 最後に眼鏡がずれていない事を確認して翔に答える。 すると扉が開き翔が顔を覗かせた。 『どうしたの?』 「いや…莉音この学校初めてだし、寮長の所に行ったほうが良いかなって思って…」 『寮長?』 「あいつさでね…簡単に寮のルールも話されると思うけど… 今大丈夫?」 『うん、大丈夫、すぐ行く』 「わかった」 僕の言葉に翔は微笑み扉の外に消えていった。 それをみて僕は息をつく。 ・
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