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翔は扉の前まで出ると躊躇わずに扉をノックする。
「寮長、今年の入学生をつれてきました。」
そう翔が行って数秒…
ばたばたと足音が部屋から聞こえてきて、それが扉の前まで来ると勢いよく扉が開いた。
「おー来た来た」
『え…亮次?』
部屋から現れたのは朝話しかけてきたさわやか系の亮次だった。
そんな僕の反応を見て横にいる翔が首を傾げる。
「あれ?知り合いですか寮長?」
「唯一の入学生が気になってね…
朝、早速話しかけておいたんだ」
その言葉に翔はなるほど~と頷いた。
『亮次が…寮長なの?』
「そうだよ。驚いた?」
亮次の言葉に僕は一回亮次の顔をじっと見て、言う。
『もしかして先輩?』
すると亮次は盛大に笑い始めた。
そして、大分笑いが収まった頃…
「ごめん、言ってなかったな…
2年C組、三嶋 亮次 今年から寮長任されてるから、よろしくな」
『よろしくお願いします』
僕がそう答えると亮次…寮長は僕の頭を撫でてきた。
「いいよ、敬語使わなくて…
俺、結構、藤堂のこと気に入ってるから…」
それと敬語を使わないのは関係ないような…
僕が黙っていると横にいた翔はクスっと笑った。
「莉音諦めたほうがいいよ。
寮長は言ったら聞かない人だから…」
「そうそう」
その翔の言葉に笑顔で便乗して言ってくる寮長
『…わかったよ…』
僕が諦めたように言えば寮長はつけたしで
「後さっきみたいに名前で呼んでな?」
「そうとう莉音のこと気に入ってるんですね…」
無理ある言葉に僕は口ごもる。
だって椿に目上の人には敬語を使いなさいとなんど…
今だ黙っている僕に寮長は少し考えた後、口を開いた。
「じゃー俺もお前のこと莉音って呼ぶから、それでお相子だ」
『…わかった…』
その言葉に亮次は微笑み、本題に入った。
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