《 1 》

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翔は扉の前まで出ると躊躇わずに扉をノックする。 「寮長、今年の入学生をつれてきました。」 そう翔が行って数秒… ばたばたと足音が部屋から聞こえてきて、それが扉の前まで来ると勢いよく扉が開いた。 「おー来た来た」 『え…亮次?』 部屋から現れたのは朝話しかけてきたさわやか系の亮次だった。 そんな僕の反応を見て横にいる翔が首を傾げる。 「あれ?知り合いですか寮長?」 「唯一の入学生が気になってね… 朝、早速話しかけておいたんだ」 その言葉に翔はなるほど~と頷いた。 『亮次が…寮長なの?』 「そうだよ。驚いた?」 亮次の言葉に僕は一回亮次の顔をじっと見て、言う。 『もしかして先輩?』 すると亮次は盛大に笑い始めた。 そして、大分笑いが収まった頃… 「ごめん、言ってなかったな… 2年C組、三嶋 亮次 今年から寮長任されてるから、よろしくな」 『よろしくお願いします』 僕がそう答えると亮次…寮長は僕の頭を撫でてきた。 「いいよ、敬語使わなくて… 俺、結構、藤堂のこと気に入ってるから…」 それと敬語を使わないのは関係ないような… 僕が黙っていると横にいた翔はクスっと笑った。 「莉音諦めたほうがいいよ。 寮長は言ったら聞かない人だから…」 「そうそう」 その翔の言葉に笑顔で便乗して言ってくる寮長 『…わかったよ…』 僕が諦めたように言えば寮長はつけたしで 「後さっきみたいに名前で呼んでな?」 「そうとう莉音のこと気に入ってるんですね…」 無理ある言葉に僕は口ごもる。 だって椿に目上の人には敬語を使いなさいとなんど… 今だ黙っている僕に寮長は少し考えた後、口を開いた。 「じゃー俺もお前のこと莉音って呼ぶから、それでお相子だ」 『…わかった…』 その言葉に亮次は微笑み、本題に入った。 ・
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