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あまりにも真剣翔の表情に僕は少し考えたあとにゆっくり口を開く。
『翔は親がやっている研究をしっているの?』
翔は黙って首を縦に振る。
『じゃーその尊敬する人は?』
すると今度は首を横に振った。
そんな翔に僕は微笑む。
『だったら僕はその尊敬する人が何でその研究材料を求めているか聞いてからどっちにあげるか決める』
僕のその答えに翔は驚いたような表情で僕を見て固まっていた。
『?僕変なこと言った?』
すると固まっていた翔は首を勢いよく横に振る。
そして僕の顔を見て微笑んでくれた。
「ううん、大丈夫。ありがとう参考になった」
『なんか、翔も大変なんだね』
「そうなんだようね~」
二人で笑いあい、止まっていた足を動かし始めた翔に僕もついていき、一番奥の部屋で止まる。
『ここは?』
「さっき言ってた生徒会長の部屋、あいさつだけすればいいから」
『うん』
僕が頷けば翔はまた微笑んでくれて、扉をノックした。
「葉月です。会長いますか?」
すると少しして静かに扉が開いた。
現れたのは黒髪で、切れ目で眼鏡をかけた少し怖いけど真面目そうな男の人
「なんだ?」
この人が会長?
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