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椿が知っているうちではヴァンパイアの成功体は僕で3人目らしい。
それほど成功体が生まれる確立が低いらしい。
その成功体がもし逃げ出したら研究所は必死を探すだろうと言っていた。
だから椿はこの学校に入ることを凄く反対した。
せっかく逃げ出せたのにと…
でもきっと研究所には母さんと父さんがいる…
だから僕は連れ戻しに来たんだ…
でも逆に研究所からみれば…
母さんと父さんがいるからまた僕が研究所にくるという事も考えられる…
だからこの裏に位置した学校に急に現れた僕をあの理事長は疑っているに違いない…
そんなこと僕だってわかっている。
だから僕はこの学校の人物たちを信じる気はない。
僕はかつらとカラーコンタクトを取って、黒いマントを肩にはおい窓から部屋を飛び出て近くにあった木の枝に移る。
考えたくないけど、今日の会った3人は僕が一番疑わなくてはいけない人物かもしれない…
僕は今日あの3人が話していたことを思い出し目を伏せる。
少しそうしたあと、僕は木から飛び降り、この寮に真っ直ぐ向ってくる人物のもとへ走って向う。
僕がすぐそこまで来ると寮に向っていた人物は足を止め僕と向かい合った。
月明かりであらわになるお互いの顔。
僕は目の前にいる人物を見て目を見開いた。
銀色にも見える白髪と黄色い瞳。
その姿は僕を同じヴァンパイア
僕の前の人物も僕の姿を見て一瞬驚いたように目を見開いたがすぐ無表情に戻った。
まだ少し幼さが残る顔立ちで、でもその顔立ちはどこか今日あったあの人物に似てる。
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