《 2 》

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少しその場でお互い見つめあった後目の前の男が口を開く。 「…治様が探しています。Ⅴ-1122…」 『!!僕はそんな名前じゃない!!』 久しぶりに聞いた研究所で呼ばれていた研究材料としての僕の名前 それを聞くと嫌でもあの頃を思い出す。 感情の乱れで漏れ出した力で周りの木々が騒ぐ。 そんな僕の目の前の男は無表情で再び口を開く。 「貴方の名前…それは、藤堂 莉音…違いますか?」 『藤堂…?何言ってんの?』 やっぱり疑ってた… 推測が事実と分かり心の中でにやけるが顔には出さないように白をくぐる 「貴方が消えてからその藤堂莉音という人物が現われたから、治様は疑ってらしたのですが… 貴方がが出てきたならその必要もなくなりましたね…」 そういった直後、真っ直ぐ僕に走ってくる男。 僕はそれに動揺することなくそのまま後ろに跳躍して木の枝に飛び乗る。 だけど目の前の男はそれを目で追っただけでそれ以上はこなかった。 なんで来ないの…? 「貴方は何でまたこんなところに来たんですか?」 『簡単なことだよ、神崎財閥を潰すため』 僕は自分の指を口に銜え牙で指先をかじる。 血が出てきたところで指を口か出す。 すると手には流れる血の代わりに血で出来た槍が現われた。 『逆に聞くね。君も僕と一緒のヴァンパイアみたいだけど… 何でそっちにいるの?』 その槍を真っ直ぐ下にいる男に向ける。 これは脅しだ。 返事の返しようによってこの槍の使い方が変る。 「私は主に仕えるのみ…」 だけど返事は悲しいものだった。 僕は悲しく笑う。 『そう…残念、僕君の事理解できそうにないよ…』 僕はそのまま槍を勢いよくしたの男に投げつけた。 槍は勢いをつけて男に真っ直ぐ飛んでいく。 ・
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