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『…あぁ…あっ!』
苦しかった…
毎日…
わけの分からないものを毎日注射され…
毎日狭いくて今が昼か夜かもわからない真っ暗なところに一人監禁されて…
そんな生活が何年もたった頃だった…
ある時を境に何故だかむしょうに喉が渇くように成った…
どんだけ水を飲んでも喉が潤う事がない…
そして気付かされた…
あいつらによって…
僕はもう普通の人間じゃないんだと…
僕が満たされる事のない水を飲まなくなってからあいつらが食事に出してきたのは、赤黒い液体だった。
「飲め」
僕に拒否権はなかった。
飲まなければ口をこじ開けられて無理やり飲まされた。
人間がおいしいと言うはずもない鉄の味…
だけど僕はそれを確かにおいしいと感じた。
そしてあんだけ乾いていた喉がやっと潤ったんだ。
そしてそれと同時に漲るわけの分からない力。
僕はその時その力を弄んで僕の口を押えていた男を殺していた。
いつやったなんて自分にも分からなかった、でも自分が殺したことだけは明らかだった。
その時わかったんだ。
自分は化け物にされたんだと…
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