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ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー 僕は目の前に大きくそびえ立つ建物の敷地に足を踏み入れた。 それからパンフレットを見ながら、自分の教室に向かう。 校舎に入ると疎らに生徒がいて、上の階の方が賑やかになっていた。 僕は階段の下で上を見て深呼吸する。 長い間、あそこに閉じ込められていた僕は大勢の人だかりになれていない。 外に出てから何度かそんか事があったが、足がすくんでどうしようも出来なかった。 『…よし!』 僕は気を入れ直して、上にあがっていく。 私立日向学院は男子校で、全寮制 だから上にあがっていくうちに見えてくるのは、男子の群れ ついでに言うと、ここは中学校から大学までエスカレーター式 だから殆どの人が顔見知り… 僕みたいに新しく入ってくる人もいるけどかなり珍しい… だからなのか、さっきから皆が僕の事を見ている気がする。 気のせいだよね? 集まる視線をスルーしていると、やっと自分の教室についた。 僕のクラスは1ーA 静かに教室に入り、指定された席に座る。 その時も僕に向いている視線は変らなかった。 ・
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