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その後、担任が自己紹介して、僕たちはすぐに入学式を行う、体育館に向った。 皆は仲良い友だちと話しながら体育館に向う。 そんな中、一人で体育館へ向っている僕はそれを見て少し羨ましく思った。 そんな時… 「君が今年入ってきた、藤堂くん?」 突然横から、現れた人物に僕は驚き、数歩下がる。 すると現れた人物はその場に止まり、苦笑する。 「あぁ…ごめん…驚かしたね… 俺、三嶋亮次(みしま りょうじ)亮次って呼んで、よろしく。」 そう言って亮次は微笑んだ。 セミロングの茶色い髪に綺麗な顔立ちで、さわやかな感じの人。 俺の最初の印象はそれだった。 『な、なんで僕の名前を?』 そう僕が言うと亮次は僕の腕を掴んで僕を引っ張る形で体育館に向い始めた。 引っ張られていた僕は亮次に追いつくように歩く速さをあげて、亮次の横に行く。 「新しく入ってくるのは君だけだからだよ… 藤堂莉音くん」 『え?そうなの?』 初めて聞くことに僕は目を見開く。 そんな僕に対し亮次はクスりと笑う。 「だから君は結構有名だよ…」 『そ、そうなんだ…』 どうしよ…ばれたかな… 亮次の言葉に僕はあることが気になり、俯く。 「わからないことも多いと思うから、何でも聞いてね。 じゃ俺はここで…」 そんな僕に対して亮次は一方的に喋って走っていってしまった。 なんだと顔をあげれば既に体育館につい居ていた。 ・
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