第1話 さよなら

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 「それじゃあ僕はここで」  侑、雪弥くん三人で下校した。  この三人で帰ることはよくある。  雪弥くんとはこのコンビニの別れ道で別れる。  私と侑は家の方向が一緒なので、雪弥くんと挨拶を交わし一緒に歩いていった。  実は私と侑の家は御近所で私の家の3軒先が侑の家になっている。  侑は高校1年の時に転校してきた。雪弥くんもほぼ同時期に転校してきたためだろうか、二人はとても仲がいい。  侑は親元を離れているらしく、現在一人暮らしをしている。らしい、という曖昧な表現になるのは侑が自分のことをあまり話したがらず、あくまでそういう噂しかないからだ。  この歳で一人暮らしというのは大変だろうと、私の親はよく侑を夕飯に誘ったりしている。何故か我が家の両親と侑を見ていると本当の親子のように見える。  それほどに侑は我が家に溶け込んでいる。  「今日も夕飯食べてくでしょ?今日は侑の好きなカレーだってお母さん言ってたよ」  「まじか!それじゃあ御言葉に甘えさしてもらうよ」  
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