唇から…

退屈

ランニングを終えて家に帰ると、昨日初めてついたお客様にハガキを書く。店の印鑑が打ってある、殺風景なハガキだが、そこに筆で丁寧に御礼の言葉を認める。小学生から習っていた書道の腕前は、名前が貰える程だ。

お客様の情報等をノートに書き記したりして、月曜日だと、その週の誕生日のチェックをする。勿論おめでとうメールや電話等もするが、その人に合ったプレゼントを買いに行くのも、結構骨が折れる。No.1と言っても、沢山のお客様の力添えがあってのことで、お金持ちばかりが来るわけではないが、一人一人が大切なお客様だ。適当な値段の目についたものをあげれば良いわけじゃない。それに、愛奈はまだ２１歳。買い物は楽しいし好きである。時間が許すなら一日中見て周りたいぐらいだ。