初めての…

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元々の客である52歳の教師・吉田は、すぐに愛奈の異変に気付いた。まぁ、愛奈の行動が以上にわかり易かったのもあるのだが(笑)。吉田は普通の…ちょっと「散らかした」(←額の広がった(笑))中年男性だ。愛奈が自分のことを好きになるなどとは思ってはいないのだが、やはり目の前でいつもと違う愛奈を見ていると、口惜しい気持ちが沸いてきた。が、愛奈は決して吉田を放ったらかしにすることはなく、どちらかというと、その一目ボレの相手―圭介より、よく話しかけていた。 後輩である圭介は、飲み屋には行く方ではなく、吉田が席を立ったスキに、連絡先を交換して欲しいと言ってみたが、アドレスしか教えてくれなかった。そして、圭介は愛奈に、もう来ない、といったニュアンスのことを言った。が、自分は独身で彼女もいない、メールもたまになら構わない、と言った。愛奈は喜びと残念さの入り交じった顔で、その言葉を聞いていた。
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