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『縁側』 二人並んで 寄り添う 二つの影が 重なって一つになる こんな風にあなたと 一つだったなら どんなによかったか 何も話してくれないあなた 気付きたくないのに 気付いてしまう 馬鹿でいれたら どんなによかったか くだらない理性が邪魔をして また何も聞けない きっと 私が聞いたなら あなたは困る 傷付いてしまう だから私は馬鹿のふりして ただあなたの腕にしがみつくだけ どんな顔してるかなんて お願いだから 見たりしないで 俯いた顔上げて あなたを見上げれば 酷い顔 今にも泣きそうで 眉間には皺 気付かなかった私は 本物の馬鹿 いつも自分のことばかりで そんな顔してたなんて あなたも馬鹿のふりしてたんだね 見つめた目を そらさずする 口付け お互いの感情が 目から溢れ出した 日溜まりの縁側 暖かい陽射し お別れの時が 近付いてる あなたはまた 私を置いて 遠い遠いところまで 飛んでいってしまうのですね 二つ並んで 寄り添う 二つの影が 重なって一つになる こんな風にあなたと 一つだったなら どんなによかったか 二人の指絡まりあって 存在を確かめあって 優しく交わされる 視線 これはきっと黙約 日溜まりの縁側で また会える日まで 愛してる
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