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『星の戯言』 「あぁ 何て僕は不幸だろう」 真っ暗な闇の中 星が一つ呟いた 周りの星達が 皆でニコニコ笑って遊んでる 星はそれを見て呟いた 「何であいつらは群れてるんだ? 僕の光は消えそうだ あいつらはきっと群れて光を補って 自分は強いと思ってるんだ なんて愚かな奴らだろう 僕は一人で光ってるのに」 星は皆を見下した 皆はそんな星に呆れて どこかへ飛んでいってしまった 星は寂しくて また皆を罵った 「やぁい 弱い奴らが群れをなして 意気がったりして 何してるんだい?」 その声は皆には届かなかった 星は本当に一人ぼっちになった 「何て僕は不幸だろう」 星は仏頂面で呟いた こんな所に こんな時代に こんな風に 生まれてしまって 星はぶつぶつ呟いた 星から涙が溢れ出た どこからか 誰かの声が聞こえた 「本当にそうかい? 時々凄く辛いかもしれない でも 君にとって一番 過ごしやすくはなかったかい? 幸せな場所ではないかい? 安全な所ではなかったかい? 皆君とずっと一緒に いてくれはしなかったかい? 本当に愛せなかったのは 皆の方なのかな?」 星は自分を見つめてみた 弱い光がさらに弱くなっていた 「ねぇ あなたは誰なの?」 真っ赤な光が 星に照りつけた 「ねぇ?」 星は自分が流れて行くような気がした 「僕はもう 駄目なのかな? 次生まれ変わったら また皆の元がいい きっと良い子に 生まれてくるよ」 ぉーぃ! おーい! おぉーい!!! 沢山の星達が彼を迎えにやって来た。 皆は星に近付いた 星も皆に近付いた 『ごめんね』 誰にだってきっと 大事な物がある 当たり前過ぎて 気付けないのかもね? 誰かがまた 幸せに気づきますように それがなによりの 幸せなのだから
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