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「っ!?」
黒い"何か"は目にも止まらぬ速さで動き、カイリが気付いた頃には右頬、左手、服の所々が破け、破れた所から白い素肌が見えている。
「まだまだ止まらねぇよ?」
驚くカイリに対してアルラは指を離してそのままカイリの腹に向かって回し蹴りを放つ。
「かっ……はっ…………」
全くの無防備なカイリに回し蹴りは直撃。
5メートル程吹き飛び、苦しそうに悶えるが、アルラは容赦なく手を動かした。
「次はお前だ蒼髪野郎!」
「ちっ……」
そして目線は瑞希に向く。
同時に黒い何かは一斉に瑞希に向かって襲い掛かる。
「水術――"水柱"(アクア・ガード)!」
だが瑞希は直ぐに水で柱を作り出し、守りに入る。
同時に黒い何かが水柱に接触するが、貫通することなく跡形もなく消え去った。
「あーあ、さっさと死ねばよかったのによぉ」
それをみたアルラもニヤニヤしながら瑞希をみる。
だが瑞希はアルラの言葉に耳を傾けることなく、ボロボロな体にも関わらずアルラに接近した。
「カイリ!お前は楓を保護してろ!
こいつの相手は俺がやっとく!」
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