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「誰?」
思わず即答してしまう。
今の状況さえ把握していないのにまともな反応をした俺を誉めてやりたいわ!
「……あー、やっぱりか」
だが、俺の反応を見た男は驚いた様子は見せず、まるで全てを判っているように苦笑いをしながら頭を掻く。
そういや何があったんだっけ……?
確か学校に居て、昼休みに急に爆発して、瑞希やカイリ……だっけ。
そいつらが闘って――――
……瑞希?
「あのっ!瑞希は!?」
「へ?」
「だからっ!瑞希はどうなったんすか!?」
ベッドから身を乗り出し、男の両肩を掴んで問い詰める…………が、男は最初は意味不明な表情をするが、次第に変わっていく。
そしてゆっくりと笑みを溢した。
「あぁ、橘の事なら大丈夫だ。軽傷で済んでるから」
いやいやいやいやいや、あいつ全身から血流れてたろ。
絶対軽傷じゃ済まない傷だと思うけど……瑞希が無事ならまぁ、いいとするか。
さて……と。
「あの、話を聞かせてくれませんか?」
瑞希やカイリが言ってた事、アルラって奴な言ってた事。
それに、さっきの不思議な現象の事。
瑞希からすると俺は俺じゃないような言動。
聞かなければならないことは山積みだ。
「ん?なんだ?」
男は普通に返答してくれた。
俺も2回程深呼吸し、口を開いた。
「俺の事について教えてくれませんか?」
「………………」
途端に空気が変わった。
背中に冷や汗が流れ、1秒1秒が遅く感じる。
「ふぅ……感動の再開は後回しってことね」
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