忘却の少年

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「……ん?」 知る人間が居ない……なんとなく意味が分かるが訳がわからない。 だが皇さんはそのまま説明を続けた。 「ここは"真星"って言ってな。第2の地球だと思ってくれるといい。」 ここまで言って、皇さんは止まった。 そしてカイリを見て、俺を見る。 「楓さん、今から私と皇さんが言うことに対して疑問が沢山浮かんできます。 ですが、今は堪えて聞いてください。 後に答えますから。」 「ん、わかった」 返答するとカイリはフッと微笑み、深呼吸を始めた。 横では皇さんが腕を組みながら何かを口ずさんでいるようだ。 「では、楓さん。一度目を閉じて頂けますか?」 皇さんを見ているとカイリから声が掛かった。 「あ、わかった」 とりあえず言うとおりにし、俺も目を閉じる。 すると二人は何か会話を始めた。 「皇さん、いけますか?」 「あぁ、今出来た」 なんの事かはわからないが、二人は立ち上がったようで、ガタンッとおとが鳴る。 そして―― 「零術――"スリープ"」 「零術――"記憶再生"」 二人が口を開くと同時に俺の意識は途切れた。
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