忘却の少年

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――楓 (……誰だ?) ――皇だ。今からお前に最低限の事を教える。 ゆっくりでいい……焦らずに自分を取り戻せ。 ‡ ‡ 今から数百年程前――1つの世界が終焉を迎えた。 理由は世界に住む人間が私欲の為に"禁忌"を犯し、全てのバランスを崩したからだ。 そのせいで平和な世界に亀裂が走る。 大地は唸るように割れていき、海は全てを飲み込むように荒れ、空は全てを溶かす灼熱の放射線を放ち、瞬く間に人類は壊滅に向かいつつあった。 1日に何十、何百の人間が死に、食物も底を着く。 そんな中、一部の人間は"禁忌"の一部を再び使用し、世界からの脱出を試みた。 行き先は最近見つかったばかりの世界。 全てがこの世界に似ていて、違うのは建物などが無いだけ。 だが、その世界に行けるのは一握りだけ。 当然、争いが起こらないわけもなく、壊滅に向かいつつあった人間同士は自分の私欲の為に殺しあった。 女、子供、老人、種別関係なく殺しあった。 そして人類が更に激減し、約500を切った頃に"禁忌"を使用した。
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