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そんな平凡な会話を交えながら食事を進めていき、食べ終わると瑞希は自席へ戻っていく。
「平和だねぇ……」
俺も弁当を片付けて、ふと外を眺める。
学校の近くに関わらず、あるのはビルやマンションなど、建物ばかり。
常に車道には車やバイクが走っていて静かになるのは夜中位だ。
――樟葉 楓
「あ?」
ふと、呼ばれた気がした。
辺りを見ても俺を呼んだような奴は居ない。
瑞希かと思ったが、瑞希は焦った表情で鞄を漁っているし、違うだろう。
「……気のせいか」
空耳。そう決め込み、机に伏せて目を閉じる。
徐々にふわふわとしてくる感覚。
眠りに堕ちつつあるときに、近くで机を倒した音が教室に響き渡る。
「楓!」
そして、急に瑞希が叫ぶように俺を呼んだ。
嫌々だがゆっくり頭を上げる――
――樟葉 楓。貴方の命をもらい受けます。
瞬間。
俺の視界が反転したような感覚に陥った。
「楓ぇぇ!!」
同時に聞こえる爆発音。
そして、更にぐらつく視界。一瞬だが瑞希が俺の近くに居るのが確認出来た。
――我が主の命令を実行します。ターゲット、樟葉 楓を抹殺。
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