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「あ、そうだった。えっと……シャルイーゼ王国の王都は、世界でもっとも美しい水上都市と言われている。
建物の隙間を縫うようにして流れる水路や、その両脇に立ち並ぶ建物など、街としての景観は非常に美しい。
特に注目されるのは、東の丘の白亜の王宮や、西の丘にあるステンドグラスの美しい瑠璃の教会。
だが、この国に訪れる人々がもっとも興味を持っているのは、美しい景観ではない。
人々は何よりも魔法を求め、この王都にある"神立シャルイーゼ魔法学院"を訪れるのである……だって。」
「俺達も同じだな。日本から観光に来たわけではないし。」
「そうだけど、せっかく外国に来たんだから、いろいろ見ないと損だよっ?見聞を広めてこいってお父さんも言ってたじゃない。」
「オヤジはオヤジ、俺は俺だ。そして俺は、この国に学びに来た。それだけだ。」
「はぁ。そういうガンコなところ、お父さんとそっくり。」
「…………」
「それじゃ、お兄ちゃんが興味ある学院のことを読んであげる。えっとぉ……シャルイーゼ魔法学院の規模は、魔法学院としては世界最大の規模と認定されている。シャルイーゼ市民の10分の1は学院の関係者と言われており、またそれとは別に、学院内にはおおよそ4000人の学生や教師達が生活を共にし……わぁ。4000人だって、お兄ちゃん。こっちの学校は随分と凄いんだね。」
「そうだな。学院の敷地は小さな街くらいあるそうだ。」
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