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「そ、そんなことないよ? うん、ないと思う。先生も良い人いるし。うん、たぶんだけど……」
「マナは相変わらずお人好しなんだから。私は私の思ったことを正直に言ってるだけよ。マリアも、変な期待はしない方がいいんじゃない? というか、もうじき期待する余裕もなくなっちゃいそうだけど。」
「私達は、もうすぐマトゥリタですからねぇ。確かにこれからは、忙しくなりそうです。」
「そーゆーことっ。なのにこんな時期に転入してくるなんて、よほど世間知らずか無謀なヤツだわ。だいたい日本って言っても、今時ニンジャなんているわけ無いんだから。変なヤツが関の山よ。」
「うふふ。それはどうでしょう? 魔法使いがいるのなら、サムライがいてもおかしくないと思いませんか?」
「あ、そっか。うん、そうだよね。魔法使いがいるなら、サムライだって……うん。いた方が楽しそう。」
「もう、あんた達は……それどころじゃないと思うんだけど。 あ、本当にそれどころじゃなかった。思い出したわ。さっきエンリコ先生が呼んでたわよ、マナ。」
「エンリコ先生? でも先生は、精霊魔法の担当だよ?」
「マナさんに用事があると言うことは、黒魔法が必要な状況なんでしょうねぇ。」
「どうせまた、精霊に逃げられたんじゃない? 電撃系の魔法を使える人を希望します、って言ってたから。」
「電撃系……私じゃないとダメかなぁ……うん。ユキちゃんだって使えると思うんだけど。」
「教師クラスが逃がした精霊相手って考えると、ユキじゃちょっと危ないかも。あの子、真面目にやらないから。」
「とはいえ学生に頼むくらいだから、そんなに危険じゃないんじゃないでしょうか。大丈夫ですよ、きっと。」
「そうかなぁ……うん。じゃあ、やってみる。」
「はい、言ってらっしゃい。頑張ってね。」
「うん。行ってきます、お姉ちゃん。」
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