#2 学ラン

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#2 学ラン

小林:師匠、脇の下の汗ジミがすごいことになってるよ! 師匠:あ、本当じゃ。 小林:そろそろ新しい洋服を買った方がいいんじゃない? 師匠:そうじゃな。‥小林くん、前から気になっていたことがあるんじゃが、聞いても良いかな? 小林:うん。時間が無いから手短にね。 師匠:小林くんが着ておる服は、何というブランドの服なんじゃ? 小林:トップスはマーク・ジェイコブスで、ボトムはジル・サンダーだよ! 師匠:小林くんは、オシャレじゃな。 小林:師匠は、いつもどこで服を買ってるの? 師匠:洋服は、いまだにお母さんが買ってきてくれるんじゃよ。 小林:え!自分で服を買ったことがないの!? 師匠:恥ずかしながら、自分で買ったことがある服は学ランだけなんじゃ。 小林:‥そういえば、師匠、学ランのランって何なの? 師匠:あ、思い出した!体操服も自分で買ったことがあったわい!といっても、自分で着るやつじゃなくて、女子高生の使用済みの体操服じゃが。 小林:使用済みの? 師匠:そうそう、学ランのランじゃったな。かつて、日本がまだ鎖国をしておった頃、日本と国交があったのはオランダだけじゃった。だから当時、西洋風の服は、「オランダ」、もしくは「ランダ」と呼ばれていたんじゃ。学ランのランは、「ランダ」のランなんじゃよ。 小林:師匠、そんなことより、使用済みの体操服について詳しく教えてよ! --師匠を見詰める小林くんの瞳は、好奇心に溢れていた。
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