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#1 てこずる
--今日も雑学を学ぶ為に、師匠の家を訪れた小林くん。
小林:師匠―! 今日も雑学を教えてよ!
師匠:小林くん。悪いが、それどころじゃないんじゃ。今日は帰ってくれないか。
小林:イヤだ! テコでも動かないぞ!
--師匠は、テコを使って小林くんを動かそうと試みた。
師匠:むむむ‥。本当じゃ! テコでも動かない!ならば、この特製テコはどうじゃ! えい!
小林:う! なんてパワーだ! 少しでも気を抜くと体ごと飛んでいってしまいそうだ!!
師匠:うはははは! いいぞ! もう一押しじゃ!
--この時、それまで防戦一方だった小林くんが反撃に転じた。
小林:くらえ! テコにはテコだ!!
--小林くんは、テコを使って、師匠の特製テコの支点をズラすことに成功した。
師匠:むむ! 支点がズレてしまっては、力が作用点に伝わらない! くそー、やりおったな! こうなったら張り手じゃ!
--師匠の張り手に、小林くんがよろめいた。ついに、山が動いたのだ。
小林:う‥動いてしまった‥。
師匠:全く、てこずらせやがって!
小林:‥ボクの負けだよ、師匠。今日はおとなしく帰るよ。
師匠:小林くん、待ちなさい。
小林:え?
師匠:まだ気付かんのか?
小林:‥・ 💡 まさか!!
師匠:「てこずる」という言葉は、「テコがズレる」から来ているんじゃよ。
小林:師匠はボクに、身をもって雑学を教えてくれてたんだね!
師匠:さよう。
--二人は顔を見合わせて笑った。桜が、春の到来を告げていた。
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