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しかし、この世知辛い不景気の世の中を会社経営していくには経験も才覚も足りなかったようだ。
経営は行き詰まり会社をたたまざるを得ない状況に陥っている。
従業員たちには何とか理解してもらい昔馴染みの同業者に引き取ってもらったり、解雇の扱いにさせてもらったりと残務処理を行っていた。
残った仕事が一段落したところで両親と爺ちゃんが眠るお墓に報告をしにきた。
『高尾家』と彫られた墓石の前でしゃがみ込み手を合わせる俺
「はぁ、爺ちゃんごめんよ。
まぁ一人身だし何とかなるとは思うけど」
などと言いつつ、(俺、自分ちの仕事しかしたことないんだよなぁ・・・)と情けないことを考える
そんな弱気な俺の報告に答えるように突然、地面が不気味な地鳴りと共に揺れ動いた。
「は?地震!?」
そう口に出した次の瞬間、目の前の『高尾家』と彫られている墓石がしゃがみ込んでいる俺に向かって倒れてきた!
「ああぁぁぁーーーー!」
間の抜けた声を上げつつ視界はブラックアウト
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