プロローグ 幻想の彼方へ

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老人 「ほう、随分とでかいこと言うようになったな?」 明らかに老人は怒りを露にしていた。 隼牙 「おいおい、怒んなよ。 ハゲが進むぞ?」 その言葉に老人は「けっ」とさらに怒るどころか不貞腐れてしまった。 隼牙 「おーけー。 言い方が悪かった。謝るよ。 俺もそろそろ他のこととか教えて欲しいって思ってるんだ。 例えば技とかさぁ」 老人 「お前に教える技など何一つないわ」 既に不貞腐れている老人の態度に、隼牙はやはりため息しかでなかった。 そこで居間の奥の台所から隼牙の母が出てくる。 母 「あ、おじいちゃんお願いだけど、裏の蔵に脚立とかあるか見てくれない? 屋根裏の修理とかで使いたいんだけど...」 老人 「あぁ、隼牙頼む」 隼牙 「何で俺なんだよ!?」 急なフリにちゃぶ台を叩いて立つ隼牙。 母 「じゃあ、準ちゃんお願い♪」 彼の母は手を合わせ、この通りと言わんばかりのジェスチャーをとった。 隼牙 「・・・で、蔵の鍵は開いてんの?」 母 「開いてるわよぉ♪」 今回三度目のため息をつく隼牙の質問に母は上機嫌で答える。 居間を出、先ほど脱ぎ捨てた靴を揃えて履き、戸を開ける隼牙は裏にある蔵へ向かった。
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