プロローグ 幻想の彼方へ

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辺りはもう暗くなった頃。 隼牙は家の裏にある、いかにも何十年も手入れをしていないような、蔓が伸び、そこら中に這っている蔵の前に立っていた。 隼牙 「そういや、ここに入るのは初めてだな・・・」 そう呟き、蔵の戸をゆっくりと押し開ける。 隼牙 「うわっ、埃臭ぇ」 蔵の中は外より暗く、入り口付近の明かりさえ届かなかった。 あらかじめ持ってきた懐中電灯をポケットから取り、蔵の中を照らした。 奥で照らされた蔵の中はどれも埃を被り、一切手をつけていないことが分かる。 隼牙 「・・・ちょっとは手入れしとけよ」 愚痴を吐きながら辺りを見回す隼牙。
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