第1章 魔法の森の人形師

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目を覚ますと質素な木の天井が最初に目に映った。 隼牙 「はっ!? 此処は?」 飛び上がって起きれば、そこは小さな個室のようだ。 辺りには可愛らしい人形が並べられていた。 (生々しい夢だったな…。 にしても此処はどこだ?) 俺は寝ていたベッドから降り、足下にも並べられた人形に気を付けながら部屋から出た。 部屋を出れば、下へ降りる階段があった。 俺はそれで下の階へ降り、すぐ隣にある扉から人の気配がすると思い、静かに扉を開けた。 そこには金髪の後ろ姿があった。 人形が着ていそうな服装から見るに女性のよう、いや、少女のようだった。 (少女・・・、 もしかして?) 俺はゆっくりと部屋に入ろうとしたら、床が軋んだ。 少女はその音に反応し、こちらへ振り向く。 俺は彼女の姿を見てドキッとした。 その姿はとても美しい。 まるで人形、いや、それ以上に。 フリルのついた赤いカチューシャに蒼い澄んだ瞳。 もはや人間の美しさを凌駕している。
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