第1章 魔法の森の人形師

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「いらっしゃい! 兄ちゃんに合いそうな武器、色々揃ってるよ!!」 そう、武具を売っている店だった。 理想郷といっても、いつ化物に襲われるか分からない。 だから万全の準備は整えておく。 しかし… 隼牙 「生憎、武器とか使ったことないから…」 (どうしよう…何を買えばいいか分からねぇ…) 「なんだ兄ちゃん。 だったら…」 頭を掻いていると、店主が何やら手招きをして奥の方へ連れていった。 「せめて防具でも着けておくといいよ! 家は防具も売ってるからね!」 そこには沢山の鎧やら、壁に掛けられた篭手やらが置いてある部屋に連れてこられた。 隼牙 「すげぇ…。 こんなに置いてあるもんか?」 あたりを見渡し、散策する。 (そうだ篭手なら相手を殴っても拳に傷はつかないし、多少の衝撃なら防御できる!) そう確信して、並べられた篭手を見ていると見覚えのある物があった。 隼牙 「これは…」 銀色に輝き、中々の厚さのある板金の篭手だった。 「それは、つい先日に見つけたものだよ」 俺がそれを手に持つと店主が言った。 「残念だが、そいつは片方しかなくてね。 売れるか分かんないが、とりあえず飾っといたんだ」 (…なるほど、じゃあこれは…)そう確信した時、俺はひとつの決断にたどり着いた。 隼牙 「おっちゃん、この篭手を俺に売ってくれ」
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