第2章 楽園の巫女、目指すは紅魔館

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隼牙 「・・・ハッ!?」 目が覚めて瞬間的に上体を起こした。 下半身が掛布団で覆われているのが映り、横目には霊夢が正座をしていた。 霊夢 「あら、おはよ」 隼牙 「おはようございます」 タオルを絞りながら彼女が言う。 そこからはしばらく、無言。 外では、雀が戯れているのだろう、鳴き声がよく響く。 しかし障子越しには橙色の光が差し込んでいた。 沈黙を破るため、俺は何を話すか考えを巡らす。 隼牙 「・・・まさか、戻れなかった・・・んですか?」 それを聞いた彼女は呆れた様にため息をつく。 霊夢 「戻れたんなら、私がここにいるわけないじゃないの」 隼牙 「ですよね・・・ははっ・・・」 自分でも分かるような引き攣った笑みを浮かべる。 そんな姿を見た彼女は考えるようなポーズをとる。 霊夢 「いままでに前例の無い事象で貴方はここにいるのよ」 ポーズは固定したままだが、今の状況を教えてくれているのだろう。 霊夢 「あの森を突っ走っていったと思ったら、直ぐに戻ってきた。なんて言うのはあったけど・・・」 彼女の眉間に皺が寄る。
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