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「でもどうするの?」
「ん?」
2杯目のビールを頼み、届くのを待ちながら大根サラダを頬張る。
「……ん?じゃないわよ……勢いで辞表出して仕事どうすんの?」
「明日考える」
「蓄えがあるわけでもないでしょ?」
「まあ……半年くらい質素倹約に努めれば生きていけるかな」
極々平凡な家庭に生まれた透子だが高校を出る頃に両親を交通事故で亡くしていた。
完全に一人っ子同士の両親だったから典型的な核家族……頼れる親戚がいるわけでもない。
幸い大学の費用は払い込んでくれていたから後は生活費をバイトに明け暮れ捻出しつつ、たまに美佳の家で御馳走になっては食費を浮かせる日々。
「背に腹は変えられないわよ?」
「確かに……でもあいつの手のひらの上で人生が弄ばれるのは堪えがたいわ」
「仕事はないって言われたのよね?」
「そう。酷くない?」
「仕事がないなら作ればいいじゃん」
「えぇ……そこでそんなに前向きになれる?」
「あいつに振り回されるのはもう飽きたことだし、利用してやればいいじゃん」
「ポジティブシンキングね……」
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