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やさぐれた気持ちを押し殺そうと透子はまたビールを一気に飲み干した。
「おにぃーさぁん、生ひとつ!ジョッキでお願ーい」
はい喜んで!
威勢よく返事をしてすぐさまビールが運ばれてくる。
サービス業の真髄ここにありだ。
「ちょっと……透子、お酒に逃げないでよ」
「焼き鳥も美味しいことだしここで雇ってもらえないかな?」
「透子!」
「……保健室って楽園だったじゃない?」
「やりたい放題させてもらっていた印象だけどね。でもいろんな話を聞いてもらって嬉しかったのは覚えているわ……あのおばあちゃん先生……」
「山本先生でしょ?」
「そう!優しかったあ……こっそり飴玉くれたりして」
「そうそう……編み物とか教えてくれたりしておばあちゃんと触れ合ったことなかった私としてはとっても新鮮で、でも落ち着ける場所だったのよ」
「楽園……ね。知ってる?あの華南学園も箱庭って評されているのを」
「セキュリティに定評があるのよね?確か」
「神威の子どもたちを護るためだけに作られたシェルターらしいわ」
「……やっぱり、恭介がいるの知ってたでしょ?」
じっと見つめる。
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